『いい子のあくび』高瀬 隼子読みました。

以前『おいしいごはんが食べられますように』も読んだこともありますが、
今回もかなり露悪的な本です。

『おいしいごはんが食べられますように』高瀬 隼子 読みました
『おいしいごはんが食べられますように』高瀬 隼子 読みました第167回芥川龍之介賞 受賞の作品です。読むときにはすっかり受賞のことを忘れていて読んだ後に面白かったなと思って調べたらそうだったのか!でした。ものすごく登場人物が...

3編の短編から成り立っています。
・いい子のあくび
・お供え
・末永い幸せ

タイトルになっている「いい子のあくび」がメインです。

一見いい子風の直子は、実はいい子の仮面をかぶっているという自覚のある女性です。
スマホを見ながら自転車運転している中学生に対して、
ぶつかったる!という気持ちでぶつかるところから話がスタート。

たとえば、人が道をよけるとき
なぜ、まっすぐ歩いてくる人に対して
自分がよけなくてはならないの?という疑問をもっている人です。
自分ばかり、よけることは割に合わないと思ってます。
確かに、歩きながら絶対よけない人っていますよね。
そして、彼氏はとってもいい人だったと思っていたのに
ネタバレですが、実は浮気していました。。
そして、お話の中、心でつぶやく悪い気持ちがそのまま本に描かれていて笑えます。
例えば、同僚の桐谷さんに思うところや、仕事を押し付けられた同僚に対して思うところなど。
部活の大会、仕事押し付けられる。何部だか知らないけど負けますように。
これでは呪いだなってありましたが、そのレベルでした。
とにかく、自分にとって割に合わないことが自分で許せないという内容でした。

この本のなかで、人はいくつもの仮面、顔をもっているというような話で
悪い心を持つ面がかなり強調的に描かれている本です。
悪いというか、人をいやな気持ちにさせたり
露悪的な面をどれくらい人に出すか出さないか。
自分という人間をまわりからどう思ってもらいたいかなど。
若いころは、いろんな自分がいてそれをどれが本当の自分だ?と思って探してしまうこともありましたが
どれも自分だと今は思います。
どう自分がみられたいかのセルフプロデュースなのかもしれません。
普段そんなことあえて考えないで過ごしていますが
この本の主人公は、意識的に考えている人でした。

この著者の本はこんな感じの本が多いのかな?と思います。
読んでいて前向きというか明るくなる話ではないですが
確かに!と思うところがある本でまたほかの作品も読んでみたいなと思います。

にほんブログ村 子育てブログ ワーキングマザー育児へ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました