『誰かがこの町で』佐野 広実 読みました。

感想を書くのに、少しネタバレになります。
真崎の子供の話、いじめの話はとてもつらかったし
同じ女の子を持つ親として、そしてかつて子どもだった自分(娘と言う立場)のことを思い出しました。
いじめというほどではなかったけれども、
バスの席きめで仲間はずれのような対象になったことについて
親には言ってもしょうがないと言う気持ちと、
恥ずかしいから言いたくないという気持ちがあったことを思い出しました。
でも、姉とは仲がいいので姉にだけはいえました。

娘は一人っ子で、そろそろ思春期、
きっとこれからいじめというか仲間はずれのような対象になるかどうかは別として
必ずどこかで遭遇すると思うので、そういうとき親として気がつかないようにされたら気がつくことは難しいとは思うけれども
だからこそ、子どもをちゃんと見ていたいと思いました。

真崎は娘に対して、自分にも後ろ暗いことがあり
子どもの気持ちに寄り添えなかった。
状況的に難しいことはわかるけれども
この本のテーマとして、何かを隠すとそれをまた隠すことになりどんどん悪い方向にしかならないと
そして、自分だけには嘘はつけないので自分もつらいということをひしひしと感じた本でした。
弁護士の岩田もずっと友人に対して贖罪の気持ちを持っていたかと思います。

麻希が現われることによって、いろいろつながりが暴かれていきます。
本当に街にいる人々がとんでもないと思いましたが、集団心理って本当に怖いです。
そして、いけないことだと分かっていても
それを主張すると次に自分がやられるかもしれないという怖さ。
難しい問題と思いました。

読後に書評をよむと、展開がありえないという人や
事件を現実的に考えて素人だけで隠せるものではないという意見もありましたが
私は、人の気持ちや心理面の描写がとても心に響きました。
この作家さんの他の本も読んでみたいと思っています。

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