『燕は戻ってこない』桐野 夏生 読みました。

『燕は戻ってこない』桐野 夏生 読みました
桐野 夏生さんの本は、いつもおもしろいので
今回はどんなお話かなと思いながら手に取りました。

ネタバレ含みますが今回は、「代理母」と生殖医療についてです。
不妊治療をしたけれども、子どものできない夫婦のうち
妻(悠子)は大変な思いもしたけれども授かれなかったことについて
やることはやったので子供のいない生活について前向きに考えます。
一方夫(基)は、元バレエダンサーで離婚した妻には子供のがいること、
また親に経済力があったことなどから自分の遺伝子を引き継ぐ子供がみたいという気持ちが芽生え
代理母を頼むことになります。

そして、一方代理母を受けることになったリキ(理紀)は
北海道の田舎から出てきたけれども、東京で1人暮らしをしていくのはとても大変。
親には経済力がないし、毎日、節約しながら暮らしていくのがしんどいと思っているところでした。
最初は、卵子だけと思っていたら、コーディネーターから代理母を頼まれ高額報酬(1,000万円)で
引き受けることにします。しかし、引き受けた後にも心はぐらぐら、ゆらゆら揺れて
さらに妊娠する直前には、人権侵害的なことを基から言われなんと
男性2人関係を持ち、妊娠した子は基の子だか、元不倫相手の子だか、セラピスト、ダイキの子だか
分からない始末。

そこに悠子の友達、春画画家のリリコが出てきて
後半はギャクマンガみたいでした(笑)

自分も不妊治療体験があるので、描かれているシーンが実感としてわかったり
お話のように双子ではないけれども出産もしているので
妊娠、出産の話は想像しやすく読んでいました。

お金を出せば、いろいろなものが手に入る世の中
本当に子どもだけは、今回のようにお金があれば代理母や生殖医療にお金もつぎ込めますが
(今は保険適用が始まったのでどのくらい自分がやっていた頃よりよくなったのかは詳しくは分かりません)
とはいえ、確実ではない世界。

子どもが欲しいと思う気持ちも分かり
産後、子供が生まれたあとの1人の子どものパワーもわかります。
子供のいない人生もあるけれども
子どもが欲しいと思ったら、授かれると本当にいいなと思います。

女性にはやはりタイムリミットがあること
男性にも不妊の原因もあることなど
大分知識として浸透してきたと思いますが、
子どもにもちゃんと伝えていかないとなあとまた思いました。

お話は、とてもおもしろく読みやすかったです。

そして、最後に日本の代理母制度ってどうなっているのかなと思いましたが
本の中では日本で行われていますが、やはり法律的にはNGで以下に記載がありました。

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