『母という呪縛 娘という牢獄』齊藤 彩 読みました

『母という呪縛 娘という牢獄』齊藤 彩 読みました。
日経新聞の広告欄で話題だったので読もうと思ったような気がします。

実際にあった事件の内容を基につづられている
ノンフィクション作品です。
実際の事件の概要はこちらです。

この記者の方との往復書簡で出来上がった内容が
娘からのという立場だけというのはありますが
(母親は亡くなっており、両方の立場からの意見は聞けないという意味)
それでも、事件として調べられていたりしている事実が正しいと感じると
本当に大変な境遇の中で育ってきている人というのがまざまざとわかりました。
そして、今後は裁判官の人が言った言葉とおりの人生になるんだなと思いました。
「お母さんにしかれたレールを歩み続けていましたが、これからは自分の人生を歩んでください」

この本を出すことで、世の中の人がほとんど忘れているような事件が
再び脚光を浴びて、本人もつらいだろうに
それでも同じような境遇の人たちに届けたいという気持ちがすごいなと思いました。

私は、現在母親という立場で
子供も大きくなってきたので、親の考えだけではなく
自分の考えも育ってきているのはわかりますが
それでも、子供が自立するまではやはり親の立場がある、強いのかなと思います。

だからこそ、この本を読んで、改めて
様々な本や、情報から、自分にできなかったことや
たとえば、学歴コンプレックスなどの、リベンジを子供に託すこと、
子供は親と別の人格であるので
子供の人生を必要以上にコントロールしないようにすることを気をつけなくてはいけないなと思いました。

今回の本のお母様の行動はあきらかに行き過ぎていると思わざるを得ません。
私は、娘でもあり母親でもあるので、この本を読みながらどちらの気持ちにもなりました。

この母娘がたった2人きりだったのも本当によくなかったと思います。
お父様は、現在サポートに徹していると思い、
それはすばらしいとは思いますが、
長年自分だけ離れてしまいお子さんを置いてきてしまったことが
とても残念だったなとも思います。

やはり、人は生まれるところは選べない。
事件のあかりさん(仮名)はとてもつらい境遇だったなと思います。
たまに読んでいて、偽造を働いたり
カンニングをしたり、ものすごく幼稚だなと思う行動もありましたが
そういった行動もあまりにも母親からの圧がすごすぎて
冷静な精神状態ではなかったんだろうなと思って読んでいました。

とても、衝撃的な本の内容で
こんなにつらい中よくそれでも9年も浪人生活を送ったなとも思ったし
あかりさんの境遇はひどすぎるなとも思いました。
だからといって罪が許されることにはならないとは思いますが
本当にこの本を読んで同じような境遇にない、私にさえ心に残るものがあったので
著者とあかりさんが届けたいと思っている多くの人に届くといいなと思います。

動画は、大竹まことさんのちょっとよくわかってない男性の立場と
小島慶子さんのとても事件の背景や内容を理解している立場(自分も毒親と過ごして経験あり)と
著者というインタビューでした。
家庭のことは密室でわかりにくいということや
母親(女性)の育ってきた時代背景からの子供に託す思いなど
わかりやすい解説がある動画でした。読後だとさらに理解ができる動画です。

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