
ある老人ホームの事件が起きて、犯人探しが始まります。
警察の人が関係者を事情聴取していくのですが、
だんだん犯人を決めてかかっていく過程がリアルに怖くて、
こうやって全く冤罪の人が仕立て上げられるということがあるのかなと思うと怖かったです。
また、警察官の圭介と介護士の佳代の関係が
どこから急にこんな親密になったのかと不思議な関係でしたが、
お互い抑圧されている状況で出会って惹かれたのか不思議だなと思いました。
また、記者の方、警察官の方が追っている事件から手を引くように言われるところも
リアルにやはりそういうことがあるのだろうなと思いました。
犯人は最後まで確定ではなかたっけれども、ラストにネタバレですが
子供達かもという描写があり、どうなるのかなと思うラストでした。
ハルピンの松江から現代の介護士の女性たち、その孫と女性の思いがタイトルに紐づいているのかなと思い、
読み終わっても犯人が確定するのでもなくすっきりする話ではないですが、
現実もなんかモヤモヤしているままに進むことは多いのでそんなラストでした。
また、著者がこの本のテーマをきめているときに、現実でも
「津久井やまゆり園」事件やある与党議員の性的少数者に対する「生産性」発言もあり
人は「生産性」がないと生きていてはいけないのか?などの
「優生思想」をテーマに書かれた本のようです。
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