2022年の本屋大賞3位の作品で
6編の短編からなる本です。
・ネオンテトラ
・魔王の帰還
・ピクニック
・花うた
・愛を適量
・式日
の6作品です。それぞれとても読み応えがありおもしろかったです。
・「ネオンテトラ」は、子ども欲しいなと思いつつ、授かれず、
モデルの彼女がなんとなく寂しい思いを抱いていたところに現われた1人の少年。
そして、その彼と姪っこの関係。
ちょっと無神経な姉、そしてその姪の行動で最後の展開がまさか予想できずに
「怖っ」って思いながらもそれで生きていく主人公がすごいと思い
この本の期待値がとてもあがった最初の章でした。
・そしてその次は一気にほのぼの感動作「魔王の帰還」です。
作者のストライクゾーンの範囲が広い!と思いながら読んでいました。
物語の設定に、難病の方が出て来て「小説的」だなとは思いつつ、
お姉ちゃんの性格に癒され、涙する素敵な回でした。
・「ピクニック」も最後の最後にそうだったの!という展開が待っている
母と娘と孫に連鎖する、ある事件のちょっと怖い設定のお話でした。
しかし、ここまで全ておもしろい。短編の全てのクオリティが高く
おもしろいと思える本です。
・「花うた」は、たった一人の肉親兄をよく事情はわからないですが、殺されてしまった妹と
その逮捕されたものとの往復書簡です。これも、興味深いテーマでどうなるのかと思い読みました。
・そして「愛を適量」はある家族の話。いまよく取り上げられるテーマになったなと感じる、
ジェンダー問題と親子の関係。
「式日」も家族、虐待からくる親子関係、友人関係の話でした。
どの話も今振り返っても本当に読み答えのある短編でした。
本を読むといろんな感情を呼び起こされたりするので
やはりおもしろい本に出会えるといいなと思いました。
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