『教誨(きょうかい)』柚月 裕子読みました。

『教誨』柚月 裕子読みました。

死刑囚になってしまった親族の謎を追うお話でした。

親族の香澄が、遺骨を受け取るきっかけから
死刑囚となってしまった「響子」はなぜあのような事件を起こしたのか?
どんな経緯があってと謎を追い続けます。

ただ、香澄がいくら転職の間のお休みとはいえ
過去に親しかったわけではない響子に対して
なぜそこまでという思いもありましたが
ストーリーテラー的な役割として香澄が響子のことを調べていきます。

調べていく内容から響子は自分の家族からも
大事にされていなく
人生がいじめとともにあるような人生で
そして自分が作った家族でもうまくいかないまま
子供を出産。その子供もまた自分と同じような運命になるような。。
ここまで負の連鎖が続いてしまうと
なかなか、ここではない世界があることや
普通ならばということが考えも及ばない世界になるんだろうなと思いました。
これもまた、家族という密室での出来事というか家庭内での不幸ですね。

とはいえ、人生、出自を選ぶことはできないので
どこで誰と出会って、変われるかというのも運なのかもしれません。
響子ががんばれなかったとは思わないし思えない環境なのですが
こういう世界で生きていくのはつらいなと思いました。

そして、死刑執行の場面までかなり詳細に描かれていて
日本の死刑制度、死刑執行について読後調べてしまいました。
とにかく、難しい問題すぎて語ることはできないです。

テーマも内容も重い本でした。
とはいえ、こういう本を読んでも
事実は小説よりも奇なり
とも思い、そういう方が
きっと今もいるんだなと思いました。

 
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