『ペインレス』天童荒太 読みました。
天童さんの本を読むと過去にも読後の衝撃がすごいですが、
この本の主人公万理も半端じゃない主人公でボキャブラリーが
少ないですがすごい衝撃的な人物でした。
サイトでも、著者の方がお話しておりますが
心に痛みを感じない人間と
肉体に痛みを感じないい人間の物語でもありつつ、人間は精神に痛みを感じることのほうが
辛いのではないか?というとても深いテーマの下に描かれている本です。
また、著者が言う
痛みがあるから人間は人間であり得る、つまり命を保ち得るのだという事実~
なども描かれています。話の規模が大きいのですが
物語はそういうことばかりではなく、わかりやすく、そして読後考えさせられます。
また、話の中に出てくるあらゆるエピソードに衝撃を受けますが
曾根、亜黎、美やの関係、森悟のエピソードはなかなか他で読んだことのない体験談でした。
特に森悟については社会問題みたいな話もありつつで
現代の問題にまで切り込んでいるなと感じました。
天童さんの小説は、時間をかけているのを感じられる
読後に読んだらすぐ忘れるような小説とは違う
楽しい読書体験をさせていただけるなと感じます。
テーマや描写が少し過激なため
子供にはお勧めできませんが、
大人で読書が好きな方には楽しめる本だと思います。
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