『夏日狂想』窪 美澄 読みました

広島の女の子が1人の物書き、作家になるまでの話です。
女性の作家さんが書く女性は、やはり女性の気持ちがとても分かりやすく描かれていると思って読んでいました。
また、時代が大正~昭和の戦時中、戦後のことも書かれていて、内容が盛りだくさんでした。
大正~昭和の戦争時代を生き抜いた人は、ものすごい時代を生きた人々なんだなとも改めて思いました。
そして、戦争はよくないとこの本を読んでいてもつくづく感じました。

登場人物が、文学について真剣に向き合っている若者から歳をとり、成功していく姿まで書かれていて
このモデルは誰かな?この人は誰だろうと思いながら読んでいました。
林 芙美子は分かりやすかったです。
この物語のメイン人物の詩人は分からなかったのですが、読み終わった後の巻末で「中原中也」だったことがわかり
詩人について詳しくない私でも知っていたので「あ~!」と思いました。
女性のモデルは、「長谷川泰子」さんで知らなかったですが、こんな方がいたんだなと思いながら
この人はどうなっていくんだろうと最後まで興味深く惹きつけられながら読みました。

今でこそ、一般的には男女平等、女性が大学に行くことも、職業を持つことも普通になりつつある世の中ですが
大正~昭和の時代は、学ぶ意欲があっても学ぶことを認められない、
女性は家庭に入って子育て、本の中にもあるとおり、男性メインの職場(礼子が勤めていた女優の世界)では
選ぶのも作るのも男性社会のため、女性が意見を言うとうざがられるようなことがあることなどが描かれていました。

こういう本をよむと、女性として今の環境や状況に感謝することなど普段ないけれども
時代を経てここまできたんだなと思い、何気ない日々、毎日をまた頑張ろうと思えます。
今見えている世界以外のところに考えが及ぶ本を読めると、やはり読書は楽しいと思い
そういう本は毎回出会えないので、とてもいい本を読んだと思いました。
また、この本の主人公のように逞しく、いつの時代もやはり自分の足で立っている女性は
かっこいいと思いました。

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