『人生劇場』桜木紫乃 読みました。
以前も読んだ「ホテルローヤル」の名前が出てきました!
知らなかったですが、「ラブレス」という作品も含めて、三部作のようです。
時代は、昭和から平成が終わるまでの話です。
新川家の次男である猛男は、
少年のころから長男にいじめられたり、
家でもろくでもない長男のことばかり気にかけられ
全く相手にされていなかった少年でした。
その猛男のことをかわいいと思った、おばのカツが妹に話をして
子供のころから彼を育てます。
その家で一緒に育ったのが駒子。
のちにカツがいなくなった後に、やはり幼少のころからの自分を知っている相手だからか
自分の弱みやダメなところを見せられる相手で
幼馴染でもあり、姉であり、母でもあった存在だったのかもしれません。
猛男が成長していく過程で、
中学を出た後、修行に出たのにうまくいかなかったり
カツに対してはとてもやさしい少年で
床屋の修業をしているときの真面目さの前半部分を読んでいるときには
物語中盤からの彼の行動は全く予想できませんでした。
だんだん腕がついてきて、室蘭を離れて実家の家族の近くへうつり
釧路に行ってから猛男がおかしくなっていったと思います。
そして、北海道の地図を見ると室蘭と釧路は結構距離があります。
コンテストに異様に執着したり
妻の里美に手を挙げるシーンは本当に読んでいて不快でした。
挙句の果てには、もともとはいい職人だったのに
仕事をしなくなり、パチンコ通い~駒子のところに通う、
女性に対して乱暴なふるまい
そんな底の浅いところを見破られ地主に騙され、
ラブホテルを建てて家族全員が借金の巻き添えになっていきます。
里美はなぜ別れないんだろうと思いながら
そういう選択肢が思い浮かばないような環境だったのか
読んでいて哀しくなりました。
頼りになるかならないのかはあるかもしれませんが
離婚しても手に職はあるし、行政のセーフティネットもあるのにと思いました。
そして、この本を読んで猛男の自制心のなさにほとほと呆れました。
ラブホテルのあたりから、どんどん悪い方向に話の展開がいくのがみえて
読むのも少しつらかったです。
職人としては一流だったのだからそれを全うすることはできなかったのかと残念にも思いました。
また、反面教師的には、おかしな人に騙されないためにも
やはり勉強をする、学ぶことは大事だなと思いました。
最後のほうで、猛男がとうとう娘にも手を挙げるシーンがあり
本当にダメ人間だなと思いました。
ただ、娘はその環境から脱出し生活できていたのはよかったです。
良い職人だった床屋から
ラブホテル経営そしてその先にどうなるのかと思っていたら
ラストも驚きの展開でした。
サトちゃんが最後に一瞬職人に戻るシーンがあってよかったです。
そして、2人で過ごしている晩年は猛男にとって思い描いていた
成功や名声を得たものではなかったかもしれませんが
やっと落ち着いた時間で読者としても安心しました。
時代がそういう時代だったのもあると思いますが
自分がというより
人からどう見られるかを気にして暮らす生活は
つらい結果になると思いました。
著者のお父さんがモデルでもあり
そんな人に対して私はうーんと思ってしまうけれども
著者はそういう人々や時代が嫌いではないとのことで懐が広いなあと思いました。
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