『少女マクベス』降田天 読みました。


『少女マクベス』降田天 読みました。

演劇に力を注いでいる少女たちの学校で起こった事故、事件の
真相を暴いていくなかでわかっていく様々なことという話でした。

ネタバレですが、演劇の神様と思われていた了は
俳優に厳しく当たり、力がある、魅力があれば
どんな横暴でもいいのかという問題が描かれていました。
横暴で、俳優がつらくても、ついていくと必ずいいものになるという芸術性は
関わる人には抗いたい魅力ではあるのだろうということはわかりますが
昨今の時代にはだんだん当てはまらなくなっている難しさが描かれていました。

また、少女一人ひとりにも
人には言えない事情があり
表面では取り繕っていても
白鳥のように足をバタバタしている様子がそれぞれ描かれていました。

誰でもまあ、程度の差はあれあるかなとも思います。
外側で見えるものだけがその人ではないと思うし
とはいえまあ二面性の限度はあるのではと思います。
まあ表面的に優しくても裏ではみたいなものも
結構透けてきますし。

話の結末で了が盗聴をしていたと私も思っていましたが
そうではなかったストーリー展開には
そういうことだったのか!と面白かったです。
盗聴で得た情報を演劇という自分の大好きなものに使って成功を収めたけれども
汚い手というか本来の力ではないものを使って成功を収めたことに後悔をしていたところは
人として気が付けて良かったと思いました。

一度何かの力に頼ってしまうと、おそらくドラッグやカンニング等のように
その力がないと成し遂げられなくなってさらに良くない方向の深みに嵌ってしまうので
そういうことに気を付けないといけないという内容でした。
人は欺けても自分は欺けないし、
自分を自分でだますのはつらいですよね。

小説だけど、最近の問題をうまく取り入れれていたお話だなと思いました。
(著者のインタビューを読むと、ちょうど刊行の時期がそうなってしまったけれども
着想は10年以上も前で昨今のハラスメント問題を意識して執筆したわけではないとのことです。
たまたまだけれどもすごいタイミングだったのですね。)
映画化、テレビ化などされそうな本とも思いました。


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