『給水塔から見た虹は』 窪美澄 読みました

『給水塔から見た虹は』 窪美澄

最近よくニュースにもなっている外国人問題について
取り扱った内容です。

ネタバレ含みます。
ある団地には外国人が多く住んでおり、
もちろん学校のクラスメイトにも。
ブラジル人の乱暴な子がいたり、
ベトナム人でも裕福で賢い子がいたり
一方、日本語もよくわかっていない子もいたり
本当に様々。
娘である桐乃は、早くこの団地・多国籍で周りからあの団地~と
いわれる環境から抜け出したいという思いで過ごしています。

しかし一方で、母親である里穂さんは、そんな外国の人のお世話をとてもよくする人。
日本語を教えたり、様々な困りごとに対応したり
病院に付き添ったり役所に行ったりと外国の人に頼られています。
しかし、桐乃は家庭を顧みず奔走する母親の気持ちがわからないし
そんな母親が心の底では好きだけれども嫌い。

そんな日々を過ごしている中、桐乃はある出来事がきっかけで
クラスメイトから無視される日々になってしまいます。
その少し前から、風邪の具合で家を訪れてから
気になっていたベトナム人のヒュウと仲良くなり
一緒に話をしたりバスケをしたり少しづつ交流をしていきます。

ヒュウも、桐乃も全く違う環境だけれども
一人ぽっちの寂しさがとてもよく描かれていました。

日本にくれば良い仕事・環境になると思ってきたのに
裏切られた元技能実習生の話などもとてもつらい話だなと思いました。

今日本では、外国人問題がとてもよくニュースに上がっていて
まさに今読む本だなと思いました。

娘の学校にも中国籍のお友達が多くいますが
中学受験をしたり皆さん勉強熱心、学歴重視で優秀です。外国籍の子供といっても本当に様々です。

桐乃の母親里穂さんの行いは素晴らしいけれども
やはり、家族をほったらかしての行為はやりすぎだと思ったし
桐乃がかわいそうとは思いました。
お父さんもいくら理解があるとはいえもう少し何か言ってもいいのではないかとも思ったり。

ヒュウも母親にほっとかれつらい子供時代だと思いました。
悪い友達とつるむようになるパターンのうち
本来やりたくないことでも、仲間になるためにと思い悪事に手を染める。
こういうパターンで、道を踏み外してしまう場合もあるのかなと思い、リアルだなと思いました。

桐乃が元技能実習生のみんなとご飯を食べて
おいしいと言っていたシーンも切ないです。
いつも1人で食べている食事がいかにさみしくてつまらないものかということが
ありありと表現されていました。

人はやはり1人ではさみしい
まして子供であればなおさら
子供は自立できるまではどんな親の元であっても
何とか生きていかないとならないし
本に書いてあるような同じような境遇のお子さんも
おそらく多くいると思うとなんとかよい大人や人に出会って生き延びてほしいと願わずにいられない本の内容でした。

そして、自分の環境を振り返り
自分の身近にいる人、大事にしなくてはならない人を大切にできているか。
自分のできる範囲でできることがあればとも考えました。

多くのことを考えさせられるよい本でした。
おすすめです。

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