『路上のX』桐野夏生 読みました

桐野夏生さんの「路上のX」を読みました。

なんというか、救いがないというか、かなり人生の底辺を歩かざるを得ない
子供の話で、読んでいてキツイなあと思いながらも、こんな子たちもいると思うと今の自分の立っている場所ってとても恵まれているのかもしれないと思った本でした。

人と比べて、自分の場所が恵まれていると思うことがいいこととは思いませんが、やはり普段は自分の半径数メートルくらいのところしか、意識や関心が及ばないとなると、このように本を読むことによって得られる体験、知識というのはやはり貴重なものだなと思いながら読んでいました。

親に捨てられた少女真由が、渋谷で生活していくのですがそれのなんと苦しいこと。親切にしてくれていると思ったアルバイト先に裏切られたり、怪しいアダルト関連の男性に声をかけられたり、そこで同じ渋谷でであった、リオナやミトとも出会い助け合って生きていくのですが、途中で喧嘩したりもあり、子どもだけで生きていくって辛いなあと思いました。

また、おそらく、児童相談などに駆け込んだほうがいいと思っても、その情報が誤った内容で伝わっていたり、そもそもそういう知識を持ち合わせてなかったりしてもっと悲惨な状況に落ちていっている人は多いんだろうなと思いました。

最後の親の子どもを捨てた話のオチが情けなさ過ぎて、泣けてきました。そんな理由で子供と離れることを選択するなんて、と思いました。最近、子どもの悲しい事件もよくテレビのニュースでありますが、世の中には考えられない思考の人っているんだなと思います。

読んでいて、楽しい気分になる本ではありませんが、読んでみてこういう子供もいるかもしれないという読書体験ができる本です。

著者の対談インタビューはこちらです。

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