『琥珀の夏』辻村 深月 読みました。

『琥珀の夏』辻村 深月 読みました。

私の中で、辻村深月さんは、本当に子どもの心情の書き方が上手い作家さんと言うイメージです。
今回の作品も、まさにそうで、子どもの頃に新興宗教のような団体のサマースクールに通う
ようになったノリコの子供ならではの深刻な友人関係、対人関係、周りからの見られ方が
痛いくらいに上手く描写されていました。

大人になると、世界は学校だけではなく、今うまくいかなくても
新しい場所もあるしとなりますが、子どもの頃の世界はとても狭くて学校が絶対という
世界観がとてもうまく書かれていて、そうだったなあと思いながら読みました。

ノリコも大人になりある事件に関わるようになるまで忘れていたのですが、
ある事件がきっかけで過去に友達だった友人と会ったことで
過去の事実、事柄がわかってきます。

また、新興宗教についてもそれについて、良い悪いが書かれているのではなく
その世界でしか生きられない、生きてこなかった子どもの未来がとても分かりやすく書かれていました。

この本の中で、親とはなれている時に娘が初潮を迎えてしまうのですが
こどもの心細さも読んでいて本当に切なく書かれていて、
自分にも娘がいるから気にしてあげたいなと深く心に思いました。
生理も大人になれば、隠すことでもなんでもなく
普通のことですが、子どもの頃は、ポーチをもって
トイレに行くことが恥ずかしかったなあと思いました。

ネタバレになってしまいますが
最後のシーンで、ミカがノリコに告白し
心が通うような瞬間がとても素敵な話でした。

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