『プリテンド・ファーザー』白岩 玄  読みました

『プリテンド・ファーザー 』白岩 玄を読みました。
読もうと思ったのは、たしか日経新聞の書評を読んでだったような気がします。
この本に出会えてよかったなと思う本でした。
書評も毎週土曜日に掲載されるのですが
ちゃんと、見たり見なかったりもあるので、
本との出会いもあるなと思います。

男性2人が育児をする話なのですが
1人は死別、1人は妻が海外赴任のため
シングルで男性が子育てする話でした。

プリテンドというのは
「ふりをする,見せかける,演じる;偽って主張する,言い張る」
と言う意味のようです。
最後に、本のタイトルの意味と内容がつながります。

恭平は奥さんが死別して1人で子育てをしていて
それまで、子育てを奥さんにまかせっきりだった男性でした。
夫は仕事をして、妻は子育てというスタイルで営業の仕事をしていましたが
シングルになって、営業の仕事のスタイルが続けられず
子育てしやすい部署へと異動となりました。
会社では、以前の考えが理解できながらも
自分でも周囲からの自分への接し方にも戸惑い、もやもやを抱えながら
いる様子がとても分かりやすく描かれていました。

だいぶ、男性が子育てすることが普通になっていますが
とはいえ、男性は夜は時間を気にせず仕事をして
女性は夜はお迎え、寝かしつけまで担当というパターンは
多いと自分も自分の職場を見ていても感じます。
自分も職場では1人の責任ある社会人なのに、
自分では就業時間を決められないというもどかしさは私も経験したことがあります。
ただ、子どもが大きくなってくると、留守番ができるようになるので変わってはきます。
仕事の働き方、スタイルについて納得して、自分で選んでいるならいいのですが、恭平のように
突然シングルファーザーが身に降りかかってきたときの、戸惑いがとてもよく表現されているなと感じました。
また、子育ての手助けの誘いがあったときの決断に迷う姿もよかったです。

章吾は保育士さんで、子育てについては問題ないのですが
自分の実家、パートナーとの関係性などの問題を抱えていました。
省吾が物語の中で、恭平が育児について語った後に放つ
「~自分が育児をしたくないって言うのはさ、子どもに向かって「お前の面倒なんか見たくない」って言っているのと
同じなんだよ~」
と言う言葉がとても心に響きました。
かなり、強い言葉とは思いましたがそうだな~と思い自分もビシッとなにか活を入れられたような気がしました。

読んでいて、素直に戸惑いながら進んでいく「恭平」と「章吾」に
「生まれてくる子供が、歓迎される世の中を作ろう」と話している2人に
涙も出ながら読んだシーンもありました。

男性2人が育児をしているというテーマの本もなかなかなくて、
テーマも新鮮だったし、とても子育ての様子がリアルに描かれている本で心に残る本でした。

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