『YABUNONAKA-ヤブノナカ- 金原ひとみ』読みました。


『YABUNONAKA-ヤブノナカ- 金原ひとみ』読みました。

金原ひとみさんの本は、自分の生活圏や周辺にはない話、

世界観を読書で体験できるところがとても面白いです。

今回の主な登場人物は
木戸さん 編集者
五松さん 編集者の若手
友理奈作家
でしょうか。
その人の周辺に家族、パートナー、子供が
それぞれの気持ちで語るパートがありました。

私は、この本を読んで本人の主観と人から見た自分の異なり方
主観と客観の乖離の大きさ(たまたまこの本はそういった人の描かれ方)に
自らの身を振り返って、自分のことは自分が一番わかっているようでそうではないのかもしれない
そうではないのだろうと思うことができました。

例えば、木戸さんは恋愛感情であったのに

相手が搾取されていたと思うなど。特に恋愛関係は当人同士のことなので他人にも推し量れず難しいですね。

また、友理奈の過激な正論思考の恐ろしさ
言っていることは正論で間違っていなくても、自分の子供にもとうとう縁を切られるという悲惨さ
生きづらそうだなあという感覚です。
実際、信念をもとに生きている人にはそれを変えさせることは当人にとっては死なのかもしれませんが柔軟性がなくて大変そうだなと思いました。

友理奈の子供の伽耶ちゃんの言っていること(親の影響はすごく受けてしまうので少し離れたい。そりゃ、友理奈ほどの強い思考の人はそうだと思う)はとても理解できました。
自分だったら、娘と縁を切るほどの信念。家族と縁を切ることのほうが辛いです。

また、自分がやったことへの仕返しの意味で制裁を受けたともいえる五松については、
いろいろな思いがありました。
知識のない人を軽視するところがある考え方自体には改善したほうが良いとは思うけれども、あそこまでの仕打ちを受けることだったのか
一方で、ネタバレなので詳しくは描けませんが
相手からしてみたらそれくらいしたいほど自分が軽蔑され続けていることにはそのくらいの代償だった
ただ、方法としては隠し撮りなどよくないです。結果、脅していた相手は捕まったけれども、ネットにさらされたものはもう取り戻せない。
ネットにさらされることの恐ろしさを感じました。

本の中では、sns等のメディアに自分の知らないところ、許可なく投稿されるリスク

木戸さんも、五松さんも自分の感覚とは異なる内容を(それ自体が悪とも言いたいのかもしれませんんが)
全世界にさらされる社会であることの恐ろしさを感じる読書ではありました。
ネット空間に投稿されると、後からそれが事実とは異なっていても最初のインパクトで人は覚えてしまうだろうし
結果一発退場になり恐ろしいです。
最近は娘の学校でもネットのリテラシーは学んでいる世の中ですが、
それを破るほどの動機を人に与えてしまってはいけないし
付き合う人というかそういうのを見極めないと何されるかれるかわからないんだろうと思いました。

なるべく感想を書く前に、著者の思いなどを見ないようにしているのですが
書いた後に、インタビューなどを読むと金原さんはMe too運動などあったときの
加害者側の視点について書きたかったということだそうで、
私は、どちらかというと加害者側の考えに寄り添ってしまっていたのかなと思いました。

同じ女性として、本の物語として読むと例えば木戸さんをものすごい加害者側とも思わず、 それぞれの立場で見ると違う話になるんだと読み
今の世の中にそもそも順応しすぎている自分を認識してしまいました。
なんでもすぐに受け入れること慣れすぎているなあと認識できたことがとてもいい発見でした。
あれ?と思ったことはとりあえず言うなど必要ですね。

こうやって読後に様々自分に考えや気づきを残してくれる読書は
とても面白い本を読んだと思えるし、また新刊も楽しみにしています!

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