『火車』宮部みゆき 読みました

先日、『この世の春』を読んだときに作家生活30周年の記念の冊子も入っていて
その中で「火車」について読んだことがなかったので、
ぜひ読んでみようと思い読みました。

結果、すごく面白い本でした!
面白くて一気読みし、読んだ後心に残る小説となりました。
子供にも、大人になる前、クレジットカードを持つ前に
ぜひ読んだもらいたいと思う本でした。

以下ネタバレも少しあります。

今では、テレビCM(最近はやってないですが)でカードで借りすぎの場合は
法律事務所へというCMや、自己破産ということもある程度認知されているのかなあと思いますが、やはり情報を知らないということから
この作品の主人公「新城喬子」とその家族が不幸になったのかなと思うと
哀しいなと思います。

また、今ではネットという簡単に物を調べられるものがあるけれども
昔、この小説の時代にはなかったため、
情報というのがもっと貴重な価値というかすぐ手に入れられないものだったよなあと思います。

この本の中には、カードの使いすぎによって自己破産した女性と
その女性の身分を乗っ取った女性がメインとなるのですが
その周りの登場人物もとても魅力的で、特に弁護士が
言うせりふは心に残りました。

「~前略~彼女の身に起こったことは、ちょっと風向きが変われば、あなたや私のみにも起こり得ることだった~」

「ただ幸せになりたかった」
物事が悪くなるきっかけというのはちょっとしたことからというのも
よくある話ですが、そのときに踏みとどまれたり、ほかの方法に
頭が向くように学んだり、また身の程をわきまえるということが
改めて大事だなと、結局は自分の軸をしっかり持たないと
いけないなあと考えさせられました。

ただ、「新城喬子」については
親きっかけだったので可愛そうな生い立ちだなとは思いました。
その親についても、家を持ちたいという普通の願望から
結局ローンが払えなくて夜逃げとなるのですが
ここについては、時代の流れや周りの言うことに上手く乗せられて
身の丈以上の家を購入した父親も悪いのですが
その後に、一家で離散する前に何か方法が無いのかと調べることができなかったのが
悲劇だったなと思います。

以前、介護の話をネットで読んだとき「母さん、ごめん
(かなり話題にもなった介護前に読むお勧めコラムです)にも
思いましたが、恥ずかしいことは隠してしまったり
自分自身で受け入れるのが哀しいですが
まずは、誰かに話してみたり相談してみたりすれば
違った新しい解決策がある可能性があることを
しっかり覚えておこうと思いました。

こういうとき知識は本当に無形の財産かなと思います。

「火車」について読んだ後には
かなり自分のことも考えさせられました。
家計や、その他について緩んでいるつもりは無いですが、
そんな気持ちについても、もう一度見直すというか考えるきっかけみたいなものも得た
本です。

家計を守るお母さんや、年頃の子供
お父さんも、フィクションでお話は面白いのだけれども
自分についても考えさせられるとてもいい本でした。
いい本っていうのはやはり読後、心に残るなと思いました。

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