『春のこわいもの』川上 未映子を読みました。

6つの短編からなる本で、新潮社とアマゾンオーディオブックのために
書き下ろした内容でした。

「あなたの鼻がもう少し高ければ」
は「ルッキズム」=「外見至上主義」の世界の話で、今どきっぽいと思いました。
整形は普通にありなど、もうそれが普通なのかは?ですが、
行き過ぎる思考になると大変そうと思う話でした。

最後の「娘について」はとてもおもしろかったです。
そしてだんだん女の妬みもまじってきた怖い感じの話でした。
作家を目指していた母1人子1人で必死な「よしえ」と
女優を目指している裕福な娘の「杏奈」
二人で上京しても、
明らかに杏奈は努力していなくて
このままじゃやばいと思って読んでいたら
だんだん「よしえ」が自分のスランプの時に
「杏奈」が成功しそうになると足を引っ張るところが怖かったです。

それに気がつかない「杏奈」もどうかと思うけれども
実際に、自己肯定感が低く、人の意見に流されるタイプで
いそうだなと思うキャラクターでした。
作家の話だったので、まさか作者自身の話だったら
怖いなあと思いましたが、まあ、そう思わせるような展開が
すでに思惑通りなのかもしれません。

短編の長さはいろいろでしたが
最後の章「娘について」がおもしろかったです。
また読みたい作家さんです。

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