『方舟を燃やす』角田光代 読みました。
物語は「柳原飛馬」と「望月不三子」のストーリーで進んでいきます。
以下ネタバレです。
二人は、とても遠いところで生きていて
そして、年齢も異なるため物語の終盤で
関わるところが最初は予想できなくて
読んでいてこの2人が関わるのはなぜなんだろうというのと
この先どうなるのかなと読み進めるのが面白かったです。
「柳原飛馬」は、小さいころに母親を亡くし
その理由が自分の発言ではなかったのか?と気にしていて
小さい時のその件がずっとどこかに、頭に残っている青年でした。
大人になって、自分も母親と同じ年齢くらいになると
子供のころは、自分の発言がきっかけではないかと思っていたことが
その発言のみで母親が死んだのではないと思えるようになるのですが
それでも子供のころのその体験は強い印象と影響を与えていました。
「望月不三子」は、大人になって比較的自分の育った家庭は
非文化的だった、経済的にも文化的にも貧しかったと思います。
そして、結婚して自分が家庭を持った際に
ある料理教室に通い、その主催者の言葉に心を動かされ
ちょっと心酔する形でその理念に影響される形で突き進んでいきます。
その理念とは、「私たちが幸福になるか否かはすべて料理にかかっている。
要約すれば食生活が私たち人間の命や幸福にとっていかに重要か」ということ。
今でいうわかりやすくいうと「マクロビオティック」的な考えだけれども
もっとわかりやすい形。
添加物はいけない。体に必要なものは昔ながらの食生活であったりです。
私自身も、歳を取り健康な生活を送るためには
いかに食事が大切であるか、なるべく体、健康にいいものを自分に家族にと思います。
なので、話としては、「柳原飛馬」の話より「望月不三子」の話をとても興味深く読みました。
ただ、「望月不三子」は愚直、真面目なためそのままやりすぎて
今までの食生活から急に健康に良いからと夫にも健康食を出していたら夫は家に帰ってご飯を食べなくなってしまったり
子供にも常に手作りおやつを作っていたら、子供がほかの家で市販のおやつをむさぼり食べるようになってしまい友人宅を困らせてしまったり
子供に給食を食べさせず、ほかの児童は給食を食べているのに手作り弁当を持たせたり
子供の予防接種を不三子自身の考えですが、打たせなかったら子供が海外で「麻疹」に罹り大変なことになったり
息子のお嫁さんにいろいろ言わないようにしていてもつい言ってしまい敬遠されてしまったり
読んでいて、あーあと思うような展開が次々と出てきてました。
身体にはどれもこれもよかったり、物事に一所懸命取り組んでいることはわかるのですが
それが行き過ぎる。バランス感覚が悪くて読んでいてこういう人は生きづらいだろうなと思いました。
今なら多様性の時代なので結構受け入れられそうですが、
小説の舞台の時代では少しまだ早かったと思いました。
お話は、コロナのころの話、ワクチンのことや、
都内が緊急事態宣言になったこと
学校が休校になったこと2019年ころの5~6年前くらいことが
しっかり描かれていました。
当時はそうだったなと思いながらすでに記憶が曖昧だっり
忘れていた感情を思い出しました。
私は不三子から見たらおそらく無頓着系の母親の部類のほうに近く
食事のことはそれなりに気にしていますが
予防接種のことはあまり深く考えられてなかったなと本を読んで思いました。
予防接種、よく考えると難しいですよね。
ちょうど、娘に女子特有の予防接種のお知らせが来ているので思いました。
ラストのほうで、不三子が一所懸命に家族が幸福でよくなるようにと動いてきたのに
家族ははたして感謝してくれただろうかと思い
子ども食堂で料理を感謝され、自分の居場所をみつけて
さらに保護猫活動にも取り組んでいく姿はたくましくなっていてとてもよかったです。
コロナ過のことも、こうやって書籍で改めて振り返ることができ
あまり思い出したくない時代はつい忘れてしまいがちですが
そんなときあったよなと思い、自由に動ける今を大切にしたいなと思いました。
本を読んで考えさせられることの多い内容でした。
角田光代さんの本なので期待していましたが期待通り読み応えのある本でした。
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