『存在のすべてを』塩田武士 読みました。

『存在のすべてを』塩田武士 読みました。
464ページの長編で、読むのに少し時間がかかりましたが面白かったです。

以下少しネタバレ含みます。
前半は、誘拐事件と刑事、記者の話がメインで
誘拐事件の真相や刑事と記者の関係性の話で進んでいくと思っていたら
途中で絵画の話になり?と思っていると
すべてかつながっていたという話でした。

私は、物語が、如月脩(しゅう)であり亮
という画家が出てきてから話がぐんとおもしろくなり
一気に読みすすむスピードが速くなりました。

この話で心に残ったのは、
物事には、こちら側でみるとこう見えて
あちら側からみるとこうみえるという
物事は、両面からみないと真実はわからない。
片方の話だけで判断はしない、しないようにしたいと思う内容でした。

ただ、この小説の話では、とはいえ、結果的に犯罪に関わることなため、
よくないことであるのは貴彦にも優美もわかってたのですが、
それにも理由があって、片方からの見方からだとわからないことが描かれていました。
兄が勝手にやったことであって最初は困っていた貴彦も優美も
亮と暮らす時間がかけがえのない時間であることがすごく伝わってくる話でした。

最後まで読み切って、いまいち最初に貴彦には犯罪者の兄がいたらしいという
読み飛ばしていたような内容も頭に入ってきたり
産みの母親のはがきのエピソードなども入ってきました。

最後まで読んだ後に、もう一度振り返ると
新しい発見もありよかったです。
新年に読んだ本で、物事の見方に付いて考えさせられたりした話でした。


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