短編が3作ですが、メインは2作「夏の体温」「魅惑の極悪人ファイル」でした。
「夏の体温」
「魅惑の極悪人ファイル」
「花曇りの向こう」
「夏の体温」は、血小板が少ないため検査で入院している少年瑛介くんと
低身長検査で2泊2日の壮太君との交流を描いた作品でした。
瑛介くんの、他の病棟のもっと重い病気の子に比べればいいほうだという風に思いながらも
今の自分の状況に対してやりきれない思いが本当に良く描かれていて読んでいて切なくなりました。
子どもでも、だんだん状況を理解して親にも負担をかけないようにするところ
でも、まだ自分の心を保つためにやってしまう行為など
瑛介くんは小学校3年生なのですが、ちょうど同じ年頃の子どもがいる親として
この年代のことがとても身近に感じました。
だんだん、空気を読んだり、これを言ったらどう思うかなどが推測できるようになる年頃、
でも、まだまだ子どもらしいところもあるそんな年頃だなと思います。
この話の最後に、壮太君がしてくれる行動がとても素敵で
読んでいてちょっと泣けてきました。とてもよかったです。
その次の「魅惑の極悪人ファイル」も
ちょっとギャクが入っている感じもあり
時々くすっと笑いながら読みました。
もっと、小説に悪い人を登場させないと体験は、
筆者の実体験かなあなんて勝手に思ってみたり。
友情の話がとても素敵でした。
また新作が出たら読みたいです。
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