
『光のとこにいてね』一穂 ミチ 読みました。
本屋大賞3位です。
最初は女の子が怪しい団地へ母親に連れられていって
どうなっていくのか?という感じで話が始まります。
子供はそのころ小学校2年生。
まだまだ親の言うことが絶対なころで世界もまだ狭い範囲の年頃
そのころに出会った、結珠と果遠ちゃんが大人になるまでの関わりを描いた話です。
ここからは少しネタバレも含みます。
結珠は経済的に恵まれている家庭にいるのに、母親になぜか大事にされない
それがなぜなんだろう?という疑問のまま
それを聞くこともできない関係性の中で育っていきます。
果遠も同様に母親に振り回される人生。
二人とも母親という存在から通常ならある安心感や愛を受けずに育った2人
なぜなのか、惹かれあっていくのですが、子供なので別れてしまい
その後大人になって再会。
ここからは、だんだんなぜ母親が結珠に対してそんな態度だったのか。
果遠のここまでの暮らしなど明らかになっていきます。
家庭の中って、よく小説や事件が起こったときも言われますが
本当に密室の出来事で、外からなんとなくうかがい知ることができても本当のことは
あえて、話してこなければ聞かないし、触れづらい問題です。
この本の話の家族関係は、結構特殊だなと私は思ってしまいますが
それ事態の考えも間違っているのか?
人の家庭環境なんてわからない、知りえないものだから
こんな家庭が多いのかもしれない?
普通に過ごしているクラスメイト、職場の同僚が同じような場合もあるかもしれない
人はいろんな環境で育っていく、いろんな人がいるということを改めて考えさせられた本です。
そして、この2人の関係性もラストを読むと
結珠には夫もいるのにこれからどうなるんだろうと思うラストですが
2人と周りの人がいいと思える人生を歩んでいってくれたらいいなと思いました。
どんなラストになるんだろうととても惹きつけられて
ページをめくる手が早まるそんな話でした。一気読みした本です。
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