
『任せるコツ』山本渉 読みました。
サブタイトルが
「自分も相手もラクになる正しい丸投げ」という内容で
どんな本なんだろうと思って読み始めましたが
とても今の自分に勉強になる本でした。
もし今の立場が仕事をアサインしたり任せることがない状態でも、
上司目線といずれそういう立場になった時のために
学べることの多い本だと思います。
私は、読んでいて社内の上司が想像でき
自分が尊敬できる上司はこの本に書いてることができている人だと思ったし
他部署のプレーヤーとして力はあるのにうまくいっていないリーダーも想像できましたので
内容が具体的でわかりやすい本と思いました。
中盤は、チームビルディングや
上司になっている人がすぐに参考になりそうなよいチームを作るにはというところでした。
心に残っているのは以下。
改めて書かれていることにそうだよなということもありましたが、認識を改めてできた点も記載。
・同じことを伝えるにしても伝え方が重要で、依頼に意義と価値を足す。
学生キャバクラ理論が例にありました。
「キャバクラで働く人が大学で勉強している」
「大学生がキャバクラで働いている」
同じことを伝えるにしても伝える情報の順番で印象が変わる例。
・相手にメリットがあるように言い換える
・無理なアサインが良い結果を生むことはない。
相手の負担を考えて、断る余白がある依頼を心掛ける。
断らせないテクニックを使うことはできるが、相手に満足感を与えて成長を促すことができるかが大事なので
依頼された側も「うまく丸め込まれたな」と気が付くので良い方法ではない。
テクニックではなく、正直に伝えるのが大事というのを今のリーダーはよく言います。
確かに、社内で普通に仕事をしている人なら想像できる範囲で、ごまかしたり工夫しても
想像がつくので、今の時代にはあっていないかなと思っていたのでこういうことかなと思いました。
・依頼するタイミングも大事
感謝は必要だけど謝る必要はない。
・頼むとき。
まずは「人」ありき「意欲」と「適正」ありきで、そこに仕事をマッチングさせていく。
空いている人、声をかけやすい人に頼み、その人の「意欲」や「job」を近づけていくのは大変。
・意欲と適正で考える。メンバーの意欲と適正にマッチしたアサインをする。
優秀か優秀じゃないかより向いているか向いていないか、もっと言えば相手がやる気になるかという基準でアサインする。
人は様々な意欲があることを理解する
異なったベクトルの意欲
例
案件1 何十億もの扱いがかかった新規取引の開拓
案件2 地球環境に配慮した新商品の開発
Aさんの意欲 よりよい世の中にしたいと思っている
Bさんの意欲 出世願望が強く大きな仕事がやりたい
・適材適所。誰にでも不得意な分野があるのでそれをさけてアサインする。
矢の周りに的を描け。最初に人ありきで仕事を添えていく。
例
経済学者ドラッカーの言葉の引用
人が何かを成し遂げるのは、強みにのってのみである。弱みはいくら強化しても平凡になることさえ疑わしい。
短所を改善するより、強みにフォーカスしたほうが得策。
・多様性社会の今 VUCA時代(Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉で、将来の予測が困難な時代)
主役はメンバーであるというマインドにシフトする。
以前は自分が引っ張っていくという形が多かった。
・勇気をもって時には仕事を減らす決断も大事。
・断るとき
「また、お声掛けください。」
①辞退する具体的理由
②素早く返事
③そして最後に「また、お声掛けください」
・「任せられる人がいない」の誤解
任せないからいつまでも任せられるようにならない。
メンバーの力を信じる
多少の失敗は成長に必要と考える
大きな事故だけは起きないように、そっと見守る。
・自分でやったほうが速いの限界
今だけの話。大切なのはメンバーの可能性を信じること
「チームに任せられる人がいない」というのは、私はマネージャーとして無能ですと言っていることと同じ
「自分でやったほうが早い」というのは、育成を無視し組織を弱体化させる罪。
・中途半端な丸投げ
中途半端な丸投げは一番やってはいけないこと
多少自分の考えと違っても目をつぶる
積極的に失敗をさせる
自分で考え、自分で進むことで成長を促す。
任せるなら最後まで任せる。任せた人のやり方に口を出さない。
細かいことまで管理するマイクロマネジメントはやめる。
そのほかも、正しい丸投げや、ティーチング(答えを教える)相手がスキルを習得する
コーチング(相手が自ら動けるように)答えを引き出すや
レベルに合わせてなどとても参考になる本でした。
タイトルは「任せるコツ」と限定的ですが、
内容は任せない人でも参考になることの多い本でした。
興味のある方にはおすすめの本です。
気になっているもの、購入して気に入ってるものや愛用品など載せてます
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