『ファーストラヴ』島本 理生 読みました。
この本で、直木賞を受賞しています。
島本さんの本は好きでずっと読んでいます。
娘が父親を殺害。
そんな事件がなぜ起きたのか、という内容を臨床心理士の由紀先生が追いつつ、
由紀先生と殺害した聖山環菜さんを担当する弁護士迦葉との関係も複雑な様子で
気になりがら読み進めていく本でした。
環菜さんの母は父親の言いなりで、
父親は芸術家で娘が自分と血がつながっていないのに、
以前付き合っていた妻が他の男性との間に出来た子どもでも
美しい娘になるという理由で産むことを許しそして子どもを自分の娘とした。
そして美しい娘を小さい頃から自分の生徒のデッサン会に呼び人前でデッサンをさせていて、
そのことを母親は知りつつ何もしなかった…という境遇。
由紀先生も父親からの性的な視線を感じながら育ち
母親は自分のことばかり、親を頼れないという境遇。
家族、家が安心できない家庭で育つことの悲しさ。
それが子どもの発達にとても悪い方向にいっていること
子どもが不安定な状態で育つことが描かれていました。
一番安心できる親、家が安心できないっててとても辛いなあと思いながら
読んでいました。
これから子どもも途中では反抗期が来て
家よりも他の場所が安心できることはあるかもしれないけれども
やはり最後には家族、家が安心できる場所であってほしいと
家族が今いて思うので、そうではない子どもたちも
上手く由紀先生のように、旦那さんと新しい家族を作るとか
なってくれたらいいなと思いながら読んでいました。
読んでいて、先生の話と環菜さんの事件の話がどうなるのかが気になり
一気に読みきりました。さすが、直木賞です。面白い本でした。
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